相変わらず東京で研修の日々ですが、週末は大阪に帰っています。
もちろん愛する妻のためです。
ちなみに毎週毎週帰ってるのは僕ぐらいです。
で、今日の晩は大阪→東京に移動です。
月曜朝から会社に出勤しなきゃいけないからね。
で、東京行きの新幹線に乗りました。
あー、また一週間が始まるなぁ。
研修はいいけど、大阪にいられないのが辛いねぇ。
とりあえずホテル着いたら、スパロボの続きしよっと。
明日も暑いかなー。
明日は会社終わったら、肩のマッサージ行ってこようっと。
などと明日のことに思いふけっていました。
そして、僕は大変なことに気づいてしまいました。
明日履く、ズボンが、無い。
しまった。
金曜日に出勤用のズボン履いて帰って、替えのズボンを持ってくるのを忘れてしまった。
嫁さんがクリーニングに出してくれてたのに、持ってくるの忘れてしまった。
なんてこった。
今はクールビズなのでスーツの上は不要だが、ズボンは必要だ。
カッターシャツはホテルに預けてるが、ズボンは無い。
どうしよう。
落ち着け俺。まずは状況整理だ。
とにかく現状、ズボンが無い。
今持っているのは、ユニクロで買った夏用の半ズボンだけだ。
これでは会社に行けない。
こんなもんで出勤しようものなら、真面目にクビになりそうだ。
何とかして、調達する必要がある。
一番良いのは、アオキとかコナカとかで購入することだ。
しかし東京に到着するのは、午後10時。
午後10時で開いてる紳士服店なんて、聞いたことが無い。
念のためケータイで店舗検索してみたが、午後8時には閉店してる。
紳士服の量販店は、ダメだ。
他にどの店なら、ズボンを売っているだろう。
気持ちはあせる一方だ。
そうだ。ユニクロならどうだ。
安く調達できるし、店も遅くまで開いてそうだ。
早速ケータイで検索する。
しかしこれも、遅くても午後10時には閉店する。
東京駅にあるユニクロも、9時半には閉店する。
駅に着いてから店に駆け込んでも、間に合わない。
どうしようどうしよう。
嗚呼、やっぱりこんな時間じゃ、ズボン買うのは無理だろうか。
服屋なんて、そんなに遅くまで営業してるわけないもんな。
ふと窓の外を見る。
活発に営業している、居酒屋の明かりが妬ましい。
新幹線は東京駅に着いた。
急いで降りて、構内の店舗を見渡すが、開いてる店は弁当屋ばかりだ。
洋服店なんて、あろうはずもない。
やっぱり購入は不可能なのか。
横を通り過ぎる、スーツに身を包んだサラリーマンが妬ましい。
こんなにも僕が切望しているスーツのズボンを、さも当たり前のように履いているこいつらが妬ましい。
もうこうなったら、こいつらをオヤジ狩りしてズボンを奪取するしかないだろうか。
いやいや、犯罪は良くない。それだけはダメだ。
じゃあ話し合いで解決したらどうだろう。
「明日履くズボンが無いんです!あなたが履いてるそのズボンを売ってください!」
そう言ったら、引き受けてくれるだろうか。
財布の中には一万円ある。
これで、売ってくれるだろうか。
さっき嫁が、
「出張中だから大事に使ってね♪チュッ♪」と言いながら、渡してくれた一万円だ。
後半部分は、妄想だ。
っていうか、すべての言葉が妄想でしたすいません。
現実に戻ろう。
こうなったらやはり、先ほどの
「ズボンよこせ」交渉を、手当たり次第に持ちかけてみるしかないのだろうか。
かなり気味の悪い交渉だが、受け入れてくれる人もいるかもしれない。
もし僕が今ズボンを持っていたら、同じ事言ってくる人がいたら、快く受け入れるだろう。
なぜなら僕は、ズボンが無い辛さを知っているから。
あ、でもズボンを渡したら、僕が明日履くズボンが無くなってしまう。
じゃあ渡さなければ、明日履くズボンがあるから大丈夫か。
なんだか解決した気がするが、まったく何も解決していない。
山手線に乗り、必死で解決策を脳内で模索する。
「そのズボン売って!」作戦は、相当イヤだ。恥ずかしすぎる。
これだけは、何としても避けたい。
しかしこのままでは、明日会社に出社できない。
いっそのこと休むか、会社。
いやいや、研修中だし、服が無いくらいで休むわけにはいかない。
そんな人は、「俺とパンダ2」のヤスノリさんくらいだ。
電車は、神田を過ぎて秋葉原に向かう。
嗚呼、もうどうすることもできないのか。
通りすがりのオッサンにズボン交渉するしかないのか。
人生の大ピンチと言って良いだろう。
やっぱり普通に、お店で買いたい。
なんか、お店無いか。無いのか。
24時間営業で
何でも売ってて
秋葉原
ドンドンドン♪ド・ン・キ♪ドンキ・ホーテー♪(脳内BGM)
ドンキがあった!!!!!!
ドンキなら24時間営業してるし、何だって売ってる!
きっとスーツだってズボンだって売ってる!
この店ならいける!っていうか、この店しか不可能だ!
脳内ではくす球が割れ、クラッカーが鳴り、ファンファーレが鳴り響き、赤いじゅうたんが目の前を転がり、花が咲き、天使が舞い降り、光が降り注ぎ、拍手と紙ふぶきで周囲が埋め尽くされた。
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう」(すべて脳内)
シャカが悟りを開いたときも、きっとこんな感じだったんじゃないだろうか。
神は、僕の心の中にいたのですね。
秋葉原駅に到着し、ドンキまでの道を早足で歩く。
アソビットシティの前では、アニメのDVD映像が流されていた。
ほう、マクロス7か。懐かしいなぁ。
主人公がもっとマトモなら、良い作品になったかもしれないのに。
いやいや、そんなことはどうだっていい。
早くドンキに行こう。
ドンキホーテに到着した。
この無節操な照明と音楽を、こんなに頼もしく感じたことは無い。
さて、スーツのズボンはどこに売っているかな。
コスプレは5階か。良いメイド服はあるかな。
いやいやいや、今はメイド服じゃなくてズボンが大事なんだって。
自分の思考に少しうんざりしながら、服コーナーにたどり着く。
早速店員を捕まえ、
「スーツのズボンありますか!?」と、必死の形相で尋ねる。
店員は僕の形相にビビリながら、案内してくれた。
そこには大量の、スーツのズボンが!!
ここはまるで天国です。
そういうわけで、無事、ズボンを購入することができました。
世の中、なんとかしようと思えばなんとかなるもんですね。
ギリギリセーフだったけど。
以降、ちゃんと気をつけて行動しようと思います。
いやー、ホントにホッとしました。
身も心も脱力です。
この後電車に乗ったとき、電車の行き先も急行かどうかも確認せずに乗ってました。
ドンキに感謝です。本当にありがとうございました。
こんなに焦ったのは、
例の事故以来です。